BLUE‐PRINCE
__ガラッ…
教室のドアを開けて入ると、一瞬で静まるその空間。
さっきまで騒いでいたであろう派手な女子集団も、無言で僕を見つめている。
何かあったのだろうか。
まぁ、僕には関係ないか……。
さほど興味も示さず自分の席に向かう。
「あっ!ご、ごめんなさい!!」
僕の机を使っていた女子たちが、一斉に弁当を片付けてそそくさと去っていく。
別に気にしないのに。
机くらい、使ってくれて構わない。
次からはそう言おうと思いながら席につき、窓から見える貯水タンクを眺める。
朱架が座っている場所はここからは見えないけれど、まだいるのだろうか。
あの黒髪を揺らして、切なげに空を見上げているのだろうか。
考えるのは、朱架のことばかり。