BLUE‐PRINCE
しばらくすると、朱架が病室に戻ってきた。
ベッドに寝かされた彼女に近寄る。
「朱架」
「ん〜……」
どうやら、眠っているらしい。
寝返りをうって、また寝息をたててしまった。
「疲れたんだよ。寝かせてあげな、葵」
母さんの言葉に頷いて、朱架の手を握って隣に座った。
よほど疲れていたのだろう。
頬をつついても何をしても、起きない。
大きかったはずの朱架のお腹が平らになっているのに気づく。
早く、奏多に会いたい。
会いたくて、もどかしくて、握る手に力を込めた。