BLUE‐PRINCE
「…早く、奏多に会いたいなぁ……」
ポツリと、朱架がつぶやく。
僕も奏多に会いたい。
でも、ここに連れてくる前にいろいろと準備があるらしく、時間がかかるそう。
「奏多奏多奏多ぁぁ……」
呪文のように奏多の名前を呼びながら、朱架は布団に潜り込む。
どうやら僕より相当会いたいらしい。
「朱架、もう少し待とう。もうすぐ来ると思うから」
「ゔ〜…。もう10ヶ月も待ったのにぃ……」
「それに比べたら、このくらいの時間は短いでしょ」
「まぁ、そうだけど……」
朱架は不服そうに僕を見た。
まるで、明日の遠足が待ちきれない幼稚園児の顔みたいだ。
少し頬を膨らませているその表情が妙に幼くて、可愛らしい。