BLUE‐PRINCE
「父さん、それってどういう……」
「南さーん」
父さんに尋ねようとしたら、後ろから女の人の声がした。
『南』という苗字はこの病室内だけでは僕たちだけ。
つまり、呼ばれているのは……
「南朱架さん、お待たせいたしました」
人のいい笑顔を浮かべながら、看護師さんが僕たちに近寄る。
その手には、ふわふわの布にくるまれた小さな小さな体がある。
「奏多!!」
ぴょこんと起き上がった朱架は、目を輝かせた。
奏多を手渡され、愛おしそうに抱き抱える。
「心拍数、体の部位、障害等の異常は見当たりませんでした。元気な男の子ですよ」
「そうですか。よかった……奏多…」
朱架の顔はとても幸せそうで。
僕も、知らないうちに微笑んでいた。
「では、しばらくしたら授乳の仕方などをお教えいたしますので」
「はい、お願いします」
ペコリと一礼し、看護師さんは病室から出て行った。