BLUE‐PRINCE
「葵くん、あたしたち……奏多をちゃんと、育てられるかなぁ」
不安げに呟く朱架。
僕と同じことを考えていたらしい。
「大変な事になったらどうしよう……」
さっきまでとはうって変わって弱気になってしまった彼女は、奏多の小さな手を握った。
大変な事って、何だ。
「……育てる前からそんなこと言ってられないよ。僕たちなりに、奏多に愛を注げば大丈夫だし、いざとなったらみんながいる」
「でも、やり方がわからないよ……」
「それは、これから僕たちで見つけていけばいいんじゃない?」
「え?」
率直にそう言うと、朱架がきょとんとした顔になった。
え。
僕、何か変なこと言った?
こっちまできょとんとしてしまう。
と、思っていたら。
「……ふふ」
朱架が突然、笑い出した。
くすくすと笑いながら、奏多の頭を撫でる。
「それ、葵くんらしい。いいね、気に入った。一緒に頑張ろ、葵くん」
……僕らしいって、なんか馬鹿にされた?
まぁいいか。