BLUE‐PRINCE
「あ、そうだ。アンタの子供、大丈夫か?」
「え?」
「いや、俺の娘もああいう容姿だろ?いくら可愛いとはいえ、世間では変な目で見られるよな」
頭に思い浮かぶ、金髪で青い目の少女。
テレビで取り上げられてもおかしくないほどの容姿だけれど、確かに普通の子供の中にいたら浮くだろう。
奏多も、だ。
そう考えると少し自信が無くなってくる。
「そうですよね…」
「んな落ち込むなって。どうやら俺の娘とあんたの息子、同じクラスみたいだから。俺もいるし大事だって」
同じクラス…だったんだ。
それなら安心かもしれない。
「何たって、あの容姿の娘を2人育ててきてるからな!何かあったら言えよ?」
「ありがとうございます」
軽く会釈すると、京也さんは僕の頭をガシガシと撫でた。
「おぅよ!任せとけ!」
何か、荒っぽいけど……いい人なんだろうな。
あ、そういえば、京也さんは何で母さんのことを知っているんだろう。
「……京也さん」
ふと疑問に思い、口を開いた。
「京也さんは母さんのこと──」
「保護者の皆様、体育館へ移動願います!」
…肝心なところで大声での呼び出しがかかり、声がかき消された。
「移動か。…ん、今、何か言ったか?」
ガタンと立ち上がった京也さん。
今聞くのはタイミングが悪いな。
そう思い、「いいえ」と答えると、京也さんは少し笑って歩いていった。