BLUE‐PRINCE
「朱架、移動だって」
「むー…」
隣でまだ拗ねていた朱架を揺さぶると、彼女は口をへの字にしながら立ち上がった。
「まだ怒ってるの?」
「奏多の見送りしたかったもん」
「はぁ…」
やれやれとため息が出てしまう。
奏多のことになると、朱架は本当にワガママ……というか、子供っぽくなる。
高校のときに大人びすぎていたせいかな。
「とりあえず行こう」
「はぁーい…」
若干不服そうな朱架の手を引きながら教室から出る。
廊下には僕と朱架の二人だけで、他の人たちはみんな行ってしまったらしい。
1年生の教室から『今から体育館に行きまーす』という、先生の声が聞こえてきた。
まずい、早く行かないと。
早足で歩けない朱架に歩幅を合わせながら、大急ぎで体育館に向かった。