BLUE‐PRINCE



朱架はまた空を眺めて、話し出した。



「あたしね、中学の頃ずっといじめられてたの」


「え……?」



そんなこと、初耳だ。



「どこにいても、みんなあたしが見えないかのように過ごしてた。話しかけてもスルーされて、廊下ではぶつかってきて」



そういえば……


他のクラスの女子が、誰かに嫌がらせをしていると聞いたことがある。


それは、朱架のことだったのか…………


黙っていると、朱架が僕を見て微笑む。



「……あたしね、呼吸が、できないの」


「呼吸が……?」


「うん」



言いながら、目を閉じて、ゆっくり息を吸って、吐く。

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