BLUE‐PRINCE
「ってか、南くん好きな人いる感じ?」
今野さんが興味ありげに聞いてくる。
目がキラキラしてる。
「分からない……けど、その子の笑ってる顔は好きだ」
「えっ!それって、もしかして……川瀬さん?」
川瀬さん?
誰だっけ。
「川瀬さんって?」
「南くん知らないの?川瀬玲奈だよ?」
玲奈……あぁ、あの玲奈。
頭に栗色の髪の女子の顔が浮かぶ。
「何で川瀬さん?」
「え、だって、教室に南くんが来たときアイコンタクトしてたでしょ?もしかしたら、付き合ってるのかなって!」
「そんなんじゃないよ」
「……ふーん?」
「教えてくれてありがとう」
今野さんはまだ疑っていそうだったけれど僕はお礼だけ言って席についた。
どきどき、きゅんきゅんか……
僕には分からないな。
女子はそういうものなのかな。