BLUE‐PRINCE
「あれ?南くん?」
後ろから声がして振り返ると、玲奈が笑って駆け寄ってきた。
「南くん、帰るの?」
「うん。先生が、今日は免除だって」
「あ〜!あの先生、なんかさっきから機嫌いいみたいだからね」
「そうなんだ」
「友達が言ってたんだ。じゃあ、私行くね!」
にこりと笑い、玲奈は玄関に駆けていった。
その後ろ姿を見送りながら、ぼんやり考える。
どうして彼女は僕に構うんだ?
あんなに気さくなら、友達はたくさんいるだろうに。
わざわざ僕に話しかけるなんて……彼女も、何か抱えているのか?
まぁ、考えても分からないな……
あまり深く考えないことにして、玄関に向かった。