BLUE‐PRINCE




学校に着いて教室に入っても、僕に話しかけてくる人はいない。


中学の時の男友達は別の高校に行ってしまったし、そもそも女子とは仲良くない。


まぁ別に、そんな気にはしていないけど。



窓の外を見ながらぼんやりと考える。



父さんは、母さんに出会って変わったと言っていた。


そして母さんも、父さんに出会って変わったと言っていた。


お互いがお互いを変えたのだろうか。


もしそうなら、きっと二人の出会いは運命ってやつなんだろうな。



いいな、とたまに思ってしまう。



一人の人を心から一生愛せるっていうのは、きっと何よりも素晴らしくて難しいこと。


それを成し遂げたのが父さんと母さん。


恋というものは分からないけれど、愛なら分かる。


それはきっと、自分を犠牲にしてでも守りたいと思う慈しみの心。


それを、僕は両親から受けている。



< 4 / 179 >

この作品をシェア

pagetop