BLUE‐PRINCE
学校に着いて教室に入っても、僕に話しかけてくる人はいない。
中学の時の男友達は別の高校に行ってしまったし、そもそも女子とは仲良くない。
まぁ別に、そんな気にはしていないけど。
窓の外を見ながらぼんやりと考える。
父さんは、母さんに出会って変わったと言っていた。
そして母さんも、父さんに出会って変わったと言っていた。
お互いがお互いを変えたのだろうか。
もしそうなら、きっと二人の出会いは運命ってやつなんだろうな。
いいな、とたまに思ってしまう。
一人の人を心から一生愛せるっていうのは、きっと何よりも素晴らしくて難しいこと。
それを成し遂げたのが父さんと母さん。
恋というものは分からないけれど、愛なら分かる。
それはきっと、自分を犠牲にしてでも守りたいと思う慈しみの心。
それを、僕は両親から受けている。