BLUE‐PRINCE
「あ、ねぇ、この問題分かる?」
玲奈が指さしたのは応用の問題。
少し難しめだ。
でも、似たような問題は授業でやった。
「解いてみないと分からないけど……多分大丈夫だと思う」
「なら、私に解き方教えてくれない?友達もみーんな分からなくって」
「別にいいけど」
「ありがとー!」
玲奈は自分のプリントを持ってきて、僕の前の席の椅子に座った。
ピンク色のシャーペンをくるくる回しながらうなっている。
「南くん、わかんない……」
「それはそこをそうすればできるよ」
「どこをどうするの?」
「ここをこうするんだって」
「そんなんじゃ分からないよ…」
かなり丁寧に説明してるつもりなんだけどな。
……仕方ない。
「ちょっと待ってて」
玲奈にそう言って、自分のプリントをさっさと終わらせる。
筆箱の中から付箋を1枚取り出してその問題の詳しい解説を書き込む。
玲奈のプリントを取り上げ、その付箋を張り付けた。
「はい。これで分からなかったら諦めて」
「……わぁ!!」
玲奈は付箋に目を走らせた後、笑顔になって顔を上げる。
「何これ、超分かりやすいんだけど!」
「なら良かった」
「ありがと、南くん♪」
満面の笑みを浮かべながら、玲奈は自分の席に帰っていった。