BLUE‐PRINCE
「はぁ……」
「南くーん」
ため息をつくと、背後から僕を呼ぶ声がした。
この声は玲奈か…
「お疲れ様、大変だったね」
玲奈はニコリと微笑んで僕の隣に座る。
そして、苺ミルクのパックを差し出してきた。
「ハイ、これ。さっき友達からもらったんだ。南くんにあげるよ」
にこやかにそれを差し出してくる玲奈に、何も言わずに受け取った。
苺ミルク……
朱架の顔が思い浮かぶ。
昨日会ったばかりなのに、なんだかずっと会っていないような気がする。
そういえば……玲奈は、朱架のことを知っているだろうか。
「玲奈」
「なーに?南くん」
「北苑朱架っていう子知ってる?」
朱架の名を出すと、玲奈の表情が一瞬……曇ったように、見えた。
「…うーん……ごめん、分かんないや……」
「そっか」
すぐに元の顔になった玲奈。
さっきの曇り顔は気のせいだったのだろうか?