BLUE‐PRINCE
今日もまた、1日が始まる。
学校に行くのは……正直、辛い。
保健室登校だとはいえ、廊下を歩いているときに必ず誰かと目が合うし。
裏で色々言われてるのも、知ってる。
保険室の先生も、大抵はいないし。
でも……葵くんが、あたしと話してくれるから。
そのことだけを楽しみに、学校に行く。
……それにしても、何で葵くんはあたしなんかと話してくれるんだろう。
葵くんは自分が『蒼の王子』って呼ばれてること知らないらしいけど……
女子はみんな、
「南くんと話したいけどカッコ良すぎて近寄れない」
とか
「私実は南くんのこと好きなんだけど」
とか、言ってる。
男子は
「もうなんか神の域すぎて尊敬してるわ」
とか、
「ホントは仲良くしたいんだけど、向こう俺に興味無さそう」
とか、言ってるし。
葵くんは…無自覚だけど、かなり人気あると思う。
本来だったら、小説とか漫画にあるような「プリンス」的存在。
でも、葵くんはそんなこと全く興味無さそうだし……。
本人の自由だよね、うん。