BLUE‐PRINCE




学校の、誰もいない廊下をそっと歩く。


誰にも見られないように。


でも、保健室まで遠いんだよね……


保健室は、何故か2階にある。


2階の、職員室の隣の隣。


1階につくればいいのに、何故か2階。


変な造りだよね、ホント。


サボリをさせないためなのかな……?


そんな不良、この高校にはいないと思うけど。


まぁ、いっか。


早いところ行こう……


早足で廊下を歩き、体育館の前を横切ったとき。



「んんっ!?」



背後からいきなり口を塞がれ、抱き竦められて引っ張られた。


苦しくて、息ができない。


何!?


精一杯の抵抗で、思い切り呻く。



「んー!!」


「騒ぐと殺すぞ」



耳元で聞こえた低い声。


『殺す』という単語に、声が出なくなってしまう。


そのまま暗い体育館の用具入れの中に連れ込まれ、ようやく手が離された。


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