BLUE‐PRINCE
「はぁっ……!」
思い切り深呼吸して、酸素を取り込む。
くらくらする頭で周りを見渡すと、ぼんやりと人影が見えた。
黒いカーテンで光が遮断されていてよく見えないけれど……5人くらいはいそう。
「おい、何も見えないぞ」
「これじゃあやりようがないな」
話し声が聞こえる。
どうやら……男の人みたい。
「それもそうだな」
誰かが呟いたあとカチッと音がし、眩い光があたしを包んだ。
あまりの眩しさに、手で影を作る。
「北苑朱架…だな?」
懐中電灯を持った男の人が、あたしに言う。
何で、名前知ってるの……?
そう思いながらもわずかに頷くと、その人は隣にいるらしい仲間に声をかける。
「……いいぞ、つけろ」
その声のすぐ後、用具入れの電気がついた。
「ッ……!」
現れた人影に……心臓が止まりそうになる。
色とりどりの髪を持った……俗に言うヤンキーという部類の人たち。
歳はあたしとあまり変わらなそう。
でも違うのは…タバコを吸ったり、ピアスをいくつもつけているところ。
怖い。
その感情が、あたしを支配する。