BLUE‐PRINCE


早く行かないと。


そのまま走り出そうとすると、後ろから胸ぐらを掴まれて振り向かせられた。



「オイ!!何逃げようとしてんだっ!!」



金髪男が、ものすごい形相で怒鳴り散らす。


何をそんなに必死になってるんだろう?



「……何に怯えてる?」


「なっ…!?」


「僕を殺らないと、『とある人』に君たちが殺られるから?」


「ッ……うるせぇ!!」




──バキッ!!



男の拳が、僕の頬に命中する。


鈍い痛み。


口の中が切れたのか、鉄の味が広がる。


……痛い。


殴られるのって、こんな感じなのか。



「ハッ……ざまぁ!!」



馬鹿にしたような、男の声。


神経に障る。


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