BLUE‐PRINCE
急いでるっていうのに、こんなお遊びに付き合ってる場合じゃない。
早く離してくれないかな。
久しぶりにイラついた。
それが態度に出て、気付けば睨みつけていた……らしい。
男の表情が引き攣る。
「……何笑ってんの?」
自分のものとは思えないほど低い声。
自然と口角が上がる。
「手、離さないと殺すよ?」
「ひっ…!?」
男の手が離れた。
緩くなった襟元を整えながら、口元の血を拭う。
……行かなきゃ。
「じゃあね」
固まる男たちに声をかけ、僕は走り出した。