BLUE‐PRINCE
泣きながら言う朱架を一瞥し、フンッと笑う茶髪。
「やっぱ、あの人数じゃ駄目か。あの人の言う通りだな……」
さっきから、『あの人』という言葉が気になる。
「『あの人』って、誰?」
「……お前が知ることはない。今ここで死んでもらうからな」
茶髪がパチンと指を鳴らすと、僕の周りをヤンキーたちがザッと囲んだ。
その数、数十人。
指をボキボキと鳴らしている。
「殺れ」
「うおぉぉぉっ!!!」
一斉に殴りかかってくるヤンキー。
人数がさっきの3倍近くあり、いくら動きが読めると言ってもよけるので精一杯だ。
殴り方なんて分からないし、そんなことしたくもないから、殴りも蹴りもしない。
……でも、相手は本気のようで。
「おらァッ!!」
ヤンキーの蹴りが僕の腹に突き刺さる。
思いっきり吹っ飛ばされ、腹がズキズキと痛んだ。
体をくの字に曲げて患部を押さえていると、また蹴りが入れられる。
「っ……!」
胃がせり上がるような痛み。