BLUE‐PRINCE
きっと、1度殴られただけで気絶するだろう。
そのくらいの威力が分かるほど、川瀬翠斗の拳は重い。
「逃げんな」
呟きとともに左から飛んできた拳をよけると、右からの蹴り。
体に触れる直前で、手で防いだ。
「へぇ……なかなかやるな。さすがあの2人の血を受け継いでるだけある。だが……」
ニヤッと笑った川瀬翠斗は……
「前があまい」
僕の腹に拳を突き立てた。
「っゔあ゙……!?」
数メートル後ろに、本当に物理的に飛ばされて倒れる。
あまりの威力に目の前が暗くなって何も見えない。
血が、口の端からこぼれた。