BLUE‐PRINCE
「葵くんっ……!!」
遠く、朱架の声が聞こえる。
こんなときでも僕を癒す、朱架の声。
『考えるな、感じろってやつ?』
『葵は、その子に恋してるし、愛してるんだね』
『絶対に傷つけちゃダメ』
母さんの声。
あの時は、その言葉の意味が分からなかった。
考えるななんて言われたら、考えてしまうし。
感じるってどうやるんだ?
ずっと、そう『考えて』いた。
でも……今は、『感じる』んだ。
こんなにも、朱架を守りたいと。
僕がいなくなったら、朱架はどうなるんだろうか。
もし、心を閉ざしてしまったら?
傷ついてしまったら?
自分のせいで僕が死んだと自分をせめて……悲しんでしまったら?
『傷つけちゃダメ』
うん、母さん……
『好きな人』を、悲しませては……ダメだよね。
今、母さんの言葉の意味が分かった。
僕は………朱架を守りたい。