BLUE‐PRINCE
「でもびっくりだな、『蒼の王子』がいつもここにいたなんて。みんなが見つけられないのも当たり前かぁ」
「『蒼の王子』…?」
誰のことだろう?
そう思い聞き返すと、朱架は驚いたような顔で僕を見た。
「え?葵くんのことだよ?青い髪をもつ、孤高の王子様」
「……何それ」
「すごく綺麗な顔なのにいつも一匹狼だって、学校では有名人だよ?」
「知らない」
「そっか……」
別に好きで一人でいるわけじゃない。
中学の時はそれなりに友達がいた。
僕の青い髪については最後まで『染めている』と思っていたけれど。
「葵くんの髪……相変わらず、綺麗な色」
突然、朱架が呟いた。
「海みたいな色してる」
「…海、行ったことあるんだね」
海には、小さい頃行ったきり。
家から結構遠いけれど、それはそれは綺麗な海だった。