BLUE‐PRINCE
ただ一人残っているのは、琉矢。
余裕の笑みを浮かべてソファーに座っている。
「……逃げないの?」
「馬鹿にするなよ。そんな腰抜けじゃねぇ」
ギロッと僕を睨みつけた後、琉矢は腕時計を眺めた。
そして……カウントダウンを、し始めた。
「10…9…8…7…6……」
そこまで数えたところで僕に顔を向け、ニヤリと笑った。
「5…4…3…2…1……」
───バァンッ!!
……『0』は、聞こえなかった。
大きな音に、遮られて。
「琉矢っ!!」
聞き覚えのある、甲高い声。
振り向かなくても、誰かなんて分かる。
琉矢が立ち上がってつぶやく。