BLUE‐PRINCE
「……やっと来たな、玲奈」
玲奈の声が背後から響く。
「うん。頼み通り、この女、つれてきたよ」
女……?
玲奈の言葉に、嫌な予感がして振り返った。
「嫌っ……離してっ……!」
玲奈に髪を掴まれ、引きずられている少女。
「朱架……!」
「葵く…ごめんっ……」
泣きそうな目で僕を見つめる朱架。
しかし、玲奈が髪を強く引っ張ったせいでその顔も痛みに歪んだ。
「黙れメスブタ」
……あれは、玲奈…なのかな。
目はつり上がり、いつもの面影はどこにもない。
「あ、南くん。さっきぶりだね」
ニコッと笑う玲奈。
……そういうことか。