BLUE‐PRINCE


「…恨むべきは朱架じゃない」


「そんなの、分かってるよ!!でもどうすればいいの!?私はどうすればっ……!!」



玲奈は、泣きじゃくっている。


10年もの間……1人で、母親が死んだ悲しみを背負ってきたのだ。


誰かに当り散らさないとやっていけないのは当然だろう。


でも、彼女のやることは、正しくはない。


間違っている。



「過去より、未来を見た方がいい」


「わかってる…けど、未来が見えない……」



見えない、か……


それは違うと思う。



「見ようとしないと見えないことだって、ある」


「見たいよ……でも、どうしても許せない……」



玲奈の肩を掴んで離し、顔をのぞき込んだ。



「『許す』ことも、必要なんじゃないかな」


「は…?無理に決まってるでしょ……?」



玲奈の目つきが鋭くなる。

< 89 / 179 >

この作品をシェア

pagetop