BLUE‐PRINCE
「…恨むべきは朱架じゃない」
「そんなの、分かってるよ!!でもどうすればいいの!?私はどうすればっ……!!」
玲奈は、泣きじゃくっている。
10年もの間……1人で、母親が死んだ悲しみを背負ってきたのだ。
誰かに当り散らさないとやっていけないのは当然だろう。
でも、彼女のやることは、正しくはない。
間違っている。
「過去より、未来を見た方がいい」
「わかってる…けど、未来が見えない……」
見えない、か……
それは違うと思う。
「見ようとしないと見えないことだって、ある」
「見たいよ……でも、どうしても許せない……」
玲奈の肩を掴んで離し、顔をのぞき込んだ。
「『許す』ことも、必要なんじゃないかな」
「は…?無理に決まってるでしょ……?」
玲奈の目つきが鋭くなる。