BLUE‐PRINCE



そうじゃない。


僕が言いたいのは……



「憎しみからは何も生まれない。母さんが言ってた。どんなに憎くても、恨んでいても。変わりたいと願うなら……『許す』ことも必要なんだ」


「うるさい……うるさい、うるさい!!」



ドンッと僕を突き放し、玲奈は倉庫を飛び出した。



「玲奈!!……てめぇ後で覚えてろ!!」



琉矢も、それを追って飛び出した。


…一応、大丈夫かな……。


後ろで倒れている朱架を振り返り、手を差し延べる。



「朱架」



声をかけると、朱架は無言で僕の手を握って立ち上がった。





気分でも悪いのか?



「朱架…?」



心配になって顔をのぞき込むと、フイッと背けられた。


え……。


僕、何かしたっけ。


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