BLUE‐PRINCE

「何も言わないってことは、そうなの？」


「……あ、いや、そうじゃなくて」


「葵くんは、あの子が好きなんだね」


「いや、だから」


「もう知らないっ！」



なぜか怒った朱架は、走り出そうとする。



「待って！！」



反射的にその腕を強く掴んで、朱架を引き寄せた。


強く、強く、抱きしめる。



「やだ…離して……。好きじゃない子に、こんなこと……しないで………」


「うん、ごめん……。さっきは…好きじゃない人を抱きしめた。でも、今は違う」


「え……」



顔をあげた朱架。


大きくて丸い瞳が、涙に濡れている。


その瞳を見つめ、僕は言った。