微笑みを。
プルルルー。プルルルー。
なりやまない着信音に溜め息をつきながらでる。
「もしもし。蒼井ですが。」
『もしもし。文奈ちゃん?今すぐ朝比奈病院に来て。』
瑛太のおばさんだ。ひどく慌てている。
「どうしたんですか?」
『瑛太が...。瑛太が大変なの。
車に跳ねられて意識不明の重体なのグスッ』
え? 瑛太が...。
「...はい!わ...分かりました今行きます。」
どうしよう...
早く瑛太に会いたい。
どうか...神様。瑛太を助けて!
1時間前までは、元気だったじゃん
『また明日な♪』って言ってくれたじゃん
独りにしないって約束したじゃん。
私はスマホをポケットにいれてドアに鍵をかけるのも忘れて家を飛び出した。