海我
「陽太!おい、久しぶりだな!」
「知也か、久しぶり」
「…陽太の女?」
金髪の男に指を差された。
「ちげえよ。ほっといてくれ。」
「冷たいなぁ陽太。なあ、一本くれよ。」
「学校帰りだ。持ってねえよ。」
きっとたばこのことだろう。
やっぱり、そうか。
やっぱり、ヤンキーか。
私はあおういうタチとは関わったことはないし、関わりたいとも思わない、むしろ好かない。
「行こう」
手をひかれて、走った。