海我
高校3年間、クラスが変わらないため、新学期のドキドキ感はない。
あん子ともクラスは同じだし、あのゆるいおじいちゃん先生も変わらない。
「あ、そうだ、転入生」
担任のおじいちゃん先生が突如言い出した。
騒ぎ出すクラス。
不自然に空いてる後ろの席に目をやる私。
「あん子、あん子ってば」
「ん〜〜なに?」
「あたしの後ろの席、空いてるんだけどさ、あたし渡辺じゃん?渡辺より下の苗字の人っているのかな?」
「気になるとこそこ?笑」
あん子は大笑いしているが、私は至って真面目だ。
小、中、高、私は全て出席番号が最後だったからだ。