きみの涙に、名前を。

待ち合わせ時間から一時間後の花火も一人で見た。周りにいた人はどんどん彼氏や友達と合流し、お祭り会場にむかっていく。

橋本に何かあったのかもしれない、無事だろうか。時間が経つにつれて、そんな気持ちでいっぱいになる。




ーーーどれくらい時間が経ったのだろうか。

ふと、携帯を見ると橋本から連絡が来ていた。

「ごめん、今日は行けない」


よかった、橋本は事故にあったわけではないんだ。一緒にお祭りに行けないことは残念だけど、何か急用があったのだろう。

ホッとすると、急にお腹が空いてきた。
(少し遠回りして夜ご飯を買って帰ろう。お母さんもいないから、用意なんてされてないだろうし。)
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