きみの涙に、名前を。

それから一カ月後、朝日奈家はアメリカへ出発した。

結衣は橋本にバレることを躊躇ったため、高校の友人には連絡しなかった。きっと始業式の朝にみんなに伝えられるはずだ。



もう橋本くんに会うことはないだろう。
(彼はわたしと付き合ったことをどう思っていたのだろうか。短い間だった。いつか彼はあんなやつもいたなとわたしのことを思い出してほしい。)
そう思い、結衣は飛び立つ飛行機の中、橋本を想い涙を流した。

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