きみの涙に、名前を。

その日から七瀬は結衣と橋本がいるときに必ず現れ、途中で結衣が一人で帰るようになった。

教室でも七瀬さんは橋本くんから離れない、と友達から聞いた。

(彼女はわたしのことが邪魔なのだろう。あれだけのスペックを持った彼女に自信がないわけがない。自分がすきになった男を振り向かせるなんて簡単なことだと思っているのかもしれない。

橋本くんと別れるのは時間の問題なんだろう。)

結衣はそう思った。

< 6 / 29 >

この作品をシェア

pagetop