有害なる独身貴族
*
パンパンに膨れたお腹をさすりながら、私ははあっと息をつく。
ちなみにお昼は店長のおごり。ごちそうさまです。
「あーお腹一杯です」
「結構ボリュームあったな。これであの値段なら安い」
「でも、小食な人には多すぎかも知れないですね」
「つぐみには多かったか?」
「そうですね。でもオムライスだけじゃなくてセットだったので、飽きずに食べれました。ランチセットとかは品数多いと嬉しいです」
「でも品数増やすと値段を上げざるを得ないんだよなー」
「それもそうか」
こうして話していると、店長はやっぱり店長だ。
何にも考えていないようだけど、お店のメニューとか、経営については常に意識しているんだなぁ。
話しながら、結局私達が向かったのは、片倉さん御用達だというスーパーマーケット。
わざわざ電車にのって、青果市場の近くにまで連れてこられる。いわゆる安値をウリとした赤札一杯のところと違って、落ち着いた印象のお店だ。
お値段も高くて、まじまじと見ていたら、片倉さんが小声で教えてくれる。
「ここは無農薬野菜しか取り扱わないんだ。だから高い」
「なるほど」
「でも試食用の食材探しには最適なんだよな」
片倉さんの持っているカゴには、どんどん野菜が追加されていく。
「ナスとズッキーニとトマトは今の契約農家で頼めそうだな。後はパプリカと……」
「あら、いらっしゃい。片倉さん」
「こんちは。元気?」
お店のおばさんとは顔見知りなのか、世間話が始まった。
パンパンに膨れたお腹をさすりながら、私ははあっと息をつく。
ちなみにお昼は店長のおごり。ごちそうさまです。
「あーお腹一杯です」
「結構ボリュームあったな。これであの値段なら安い」
「でも、小食な人には多すぎかも知れないですね」
「つぐみには多かったか?」
「そうですね。でもオムライスだけじゃなくてセットだったので、飽きずに食べれました。ランチセットとかは品数多いと嬉しいです」
「でも品数増やすと値段を上げざるを得ないんだよなー」
「それもそうか」
こうして話していると、店長はやっぱり店長だ。
何にも考えていないようだけど、お店のメニューとか、経営については常に意識しているんだなぁ。
話しながら、結局私達が向かったのは、片倉さん御用達だというスーパーマーケット。
わざわざ電車にのって、青果市場の近くにまで連れてこられる。いわゆる安値をウリとした赤札一杯のところと違って、落ち着いた印象のお店だ。
お値段も高くて、まじまじと見ていたら、片倉さんが小声で教えてくれる。
「ここは無農薬野菜しか取り扱わないんだ。だから高い」
「なるほど」
「でも試食用の食材探しには最適なんだよな」
片倉さんの持っているカゴには、どんどん野菜が追加されていく。
「ナスとズッキーニとトマトは今の契約農家で頼めそうだな。後はパプリカと……」
「あら、いらっしゃい。片倉さん」
「こんちは。元気?」
お店のおばさんとは顔見知りなのか、世間話が始まった。