ただ、それだけ…
純が教室に帰った後、俺等はいつものたまり場に行った。
「んでもマジで奏って喧嘩しねぇよな」
「喧嘩なんかしても意味ねぇじゃん。拳いてぇしさ。一回骨折ったからやんねぇ」
「とか言って。本当は純ちゃんの為じゃねぇの?」
京輔には本当になんでもお見通しか?
俺は、純が泣いたあの日から喧嘩はしねぇと誓った。
また喧嘩なんてしたら、きっと純は泣く。
だから絶対しない。
「にしても、村上っつー奴の情報、なんかねぇのかよ」
『村上?三年のか?』
話に食いついてきたのは俺等の仲間のマコトだった。
「マコト、なんか知ってんのか?」
『めちゃくちゃ女遊びで有名らしいぜ。この学校では爽やかぶってるけど、夜になるとそこらへんの女喰いまくってるらしい』
そんなやつに純は狙われてたのかよ………。