ただ、それだけ…



俺がどんなんになろうと純だけはいつも俺の見方だった。


俺が不良になり始めた時も、純だけは見捨てなかった。


俺の為に怒ってくれたり。

まぁ、キレたらめちゃくちゃ恐いんだけど。





純は知らねーんだろうな。

俺が不良になった理由。








俺が不良になったきっかけは、俺には人より目立つ物が一つもねぇと気付いたからだった。



純に俺を見てほしい。


その一心で髪を染めた。親やセンコーに反抗した。喧嘩もした。


気付いたら、俺の周りの全ての人が俺から離れていった。




もうどうでも良かった。
どうせ、純にも引かれてる

そう思ってた。


だけど違った。

純は俺を見捨てたりしなかった。


「かなちゃんに何があったかは分からない。けど、1人じゃないんだからね!?あたしはずっとかなちゃんの見方だから」


そう言って泣きながら俺を抱きしめたんだ。



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