腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
「ウサギ、羨ましい?」と菅原先生が隣にやって来て、私の顔を覗き込む。
「リュウは奈々ちゃんに初めっから、ぞっこんなんだよ。
そしてね、奈々ちゃんも他の男は見えてないんだ。」とニッコリする。
「僕もね、けっこう、ウサギにぞっこんなんだけど、腕を回しても良いかな?」と
私の後ろに立って、私を抱きしめるように腕を回してくる。
大勢の人が見ている気がして、すっごく恥ずかしい。
顔が赤くなって、体が固くなる。先生はフッと笑って、
「まだダメかな?」とちょっと寂しそうな顔をして、そっと腕を解く、
私は思わず、先生の腕につかまって、
「腕につかまってても良いですか?」と聞いたら、
「もちろん。僕の腕はウサギ専用だよ。」と耳元で言って私と腕を組んで、手の甲をスルッと撫でた。
私はまた、顔が真っ赤になる。
オトナのオオカミは私をものすごくドキドキさせる。
どうしたら良いの?
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