腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
菅原先生は私を連れて、挨拶に回る。
「可愛いパートナーですね。」と言われ、照れくさそうだけど、
私の側から離れる事はなくて、安心して、パーティ会場にいることが出来た。
しおりんの側に西野先生が甲斐甲斐しく飲み物や、食べ物を運んでいる姿が見える。

菅原先生は私の顔を覗き込み、
「疲れた?少し座ろうか。」と奈々さんの座っている席に連れて行って、
飲み物を取りに行ってくれた。奈々さんが
「ウサギちゃん、そのドレスは、菅原先生のチョイス?良く似合ってる。」
と笑いかけてくれる。私はホッとして、奈々さんに笑いかける事が出来た。
「緊張しますね。知らない人に会うのって。」と言うと、
「菅原先生に任せて、笑っていれば大丈夫よ。」と言ってくれる。
隣にいるリュウ先生の周りにいる男の人達と挨拶していると、
両手にグラスを持って菅原先生がやって来て、私の眼の前に立ち不機嫌な顔をして、
「ここに留守番させとけば、大丈夫と思ったのに、
なんで、男とニコニコ話してるかな。」
とかがみこんで、私の耳元で囁き、頬に唇をつけた。
奈々さんがクスクス笑い、
「菅原先生、あんまりヤキモチを妬くと、嫌われちゃうわよ。」と言ったら、
「僕はリュウを手本にしてるだけだよ。」と口をへの字に曲げて、笑い、
私の隣に座り、私の腰に腕を回した。
私は顔が真っ赤になる。




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