腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
「菅原先生」と呼びかけると、先生は
「ツカサ」と言って、そっぽを向く。
「…ツカサさん。…ツリーが綺麗ですね。」と小さな声で言ったら、
盛大にため息をついて、
「ウサギ、もう少し僕に興味を持ってくれないかな?
僕のこういう態度についてのコメントは無いの?」と私の顔を覗く。
「…側にいてくれると安心します。」と赤くなってうつむくと、
「…ふうん。僕は保護者じゃなくって、恋人のつもりなので、
もう少し、甘い雰囲気になりたいんですけど。」と私の指に指を絡める。
私は声が出ない。
菅原先生は肩をすくめ、食べるものを持ってくるよ。と微笑んで、席を立った。
私は少しホッとする。
私は心臓の音が外に聞こえそうなくらいドキドキと、音を立てている。

ドンドンスキニナッテイク。

こんなに好きになったら、別れる時が辛そうだ。
あと、ちょうど1ヶ月後に夜景の綺麗なあのホテルに予約が取れたって、
昨日聞いたばかりだ。



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