腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
正月。元旦。
当直明けの僕には関係ない。
救急外来はいつも通りだ。
他の医療機関が休みな分、いつもより混んでいるくらいかな。
今日も変則勤務で深夜からも勤務の予定だ。
11月に1週間も休みを取ってので仕方ない。
ウサギの顔が見れないのがちょっと寂しいけど、
そんな事も言ってられないか。

部屋に戻ると、テーブルにメモがあって、ウサギが部屋に来ていたみたいだ。
お雑煮用の汁と餅と小さなおせち料理のパックが
冷蔵庫に入っていた。
とりあえず、シャワーを浴び、お雑煮を食べることにする。
雑煮の汁は関東の醤油味だ。
東北生まれの僕と味は一緒かな。
これで一応お正月が来た事にする。
ベットに潜り込み、頭の上にいたジンベエ鮫のぬいぐるみを撫でる。
ウサギのシャンプーの匂いのするそいつに
あけましておめでとうと言ってから眠りについた。



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