腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
ウサギの作るチキンカレーは少し甘いけど美味しい。
すりおろした玉ねぎも入っているんです。とニッコリした。
「えーと、明日、お休みなので、実家に顔を出してきます。」とウサギが突然言う。
「僕も行きたい。」と思わず言うと、顔を真っ赤にして、
「ダメです。父もいるんですから。」と言う。

じやあ、尚更挨拶に行った方がいいんじゃないのか?
「…僕の事って、紹介出来ない?12歳も年上で、バツイチだから?」
反対されるのはわかってるから、
僕はお付き合いを許してもらえるように
何回でも会いに行くつもりでいるんだけど。
「ツカサさん、本当に紹介されたいんですか?
もし、もしも、将来紹介するとしたら、
ツカサさんの事が問題だとは思ってません。
年が離れてるけど、離れすぎてるっていうわけではないと思ってますし、
…いちおう独身の男性ですし、」
…いちおうってなにかな?と僕は顔をしかめてみる。ウサギは
「…私は父が苦手なんです。すぐに怒るし。」とウサギは顔をしかめて、
「だから、絶対ダメです。」と引かない。

…そうか、ダメか…
両親に会うっていうハードルの前にウサギの説得があったのか。
僕は唖然とする。
前の妻の時は早くあってほしいって、言われてたから、
…こんなハードルがあったなんて。
僕はバツイチだけど、
一応、高学歴、高収入、で、カッコいいと言われる男なんですけど。
「もしも将来」ってことはずーっと先まで
紹介されない。のか?
僕はそんなに待つつもりはないよ。
やっぱり、ウサギって何を考えてるのかわからない。
手強いヤツだ。と僕はそっとため息をつく。



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