腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
目を開けると、ツカサさんの腕の中だった。
当然服は着ていない。恥ずかしい。
それに明るいから、きっと朝だ。どれくらい眠ったのだろう。
顔を上げると、
「おはよう」とツカサさんが言った。
「お、起きてたんですか?」と小さな声で聞くと、
「眠れませんよ。嬉しくって。ウサギの寝てるのをずっと見てた。
ウサギは寝言で何度も僕を呼んで、僕を抱きしめた。」と笑ったので、
「う、うそっ」と真っ赤になったら、
「なんでばれちゃうかな。でも、僕にくっついて眠ったのは本当だよ。」
とニッコリして、くちづけしてくる。ツカサさんのくちづけは優しい。
思わず、くちづけを返すと、長く激しいくちづけになった。
ツカサさんは真面目な顔で
「もういっかい、抱きたい。」と私を見つめる。
「抱いてください」とツカサさんの頭を抱いた。
ツカサさんはゆっくり私の上に覆いかぶさってくる。
ツカサさんの優しい瞳が私を見つめている。
私は目を閉じ、ツカサさんの瞳の色を覚えていたいと祈るように思った。


2度目は昨日より痛くなかったけど、
ツカサさんは容赦なく私を翻弄する。
ツカサさんが私の身体をしっかり抱きしめたまま、満足して眠りについたとき、
私の声はかすれ、涙と、汗で、くたくたになった。

やっぱりツカサさんはオオカミでしょう。
満腹にならないと、眠らないのだ。
私の身体に満足してくれたかな?
そうだったら嬉しい。
私の身体はツカサさんのつけた印でいっぱいだ。


私は軋むカラダをゆっくり起こして、シャワーを浴びることにした。
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