腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
午後2時まで暇になった僕は
この間の5階の会議室が並んだ場所に行ってみることにする。
この間行ったのは、ちょうど、昼休みの時間だったと考える。


足音を立てずに廊下を歩く。
この間、ナース姿の女が消えた曲がり角を曲がって、
その先にあったついたてに身を潜めることにした。
なんだか笑える。
スパイになった気分だ。


ゆっくり、壁に寄りかかり、
ポケットに入っていた、キャンデーを口に入れる。
救急外来は忙しくなると、昼休みなんて取っていられない。
朝飯をほとんど食べる習慣がないので、
僕は低血糖になって、気分が悪くなるのを防ぐのに、
ミントとミルクの混ざったお気に入りのキャンデーを
いつもポケットに入れている。


30分たって、もう、やめようかと思ったところで、
来た。
軽い足音がやって来る。
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