腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
その後は、もちろんウサギを抱いた。
ウサギは、熱が下がっていない。とか、そんな事したら、具合が悪くなります。
とか抵抗する様子を見せたけど、僕が手を止めなかったので、
諦めて、おとなしく僕の唇を受け入れて、甘いため息を吐いた。
僕は熱に浮かされながらも、何度も美雨の名前をよび、深く身体を繋げた。
ウサギも僕の名前を呼んで、何度も僕の背中に爪を立てる。
終わった後、そのまま、僕は眠りについた。
おやすみなさい。と僕の頬にキスをする柔らかい唇をを感じながら、
深い安堵の中でウサギの温かい身体を抱きしめてゆっくり眠った。

「ツカサさん、おはようございます。熱、下がりましたね。」とウサギの声で目を覚ますと、
まだ、朝、早い時間だったけど、
「雪が積もっているので、早めに起こしました。良い天気です。」
と笑ったウサギの顔に見とれてしまう。
なんだかすごく綺麗に見える。
ぼんやり、見上げた僕の手を引っ張り起こし、
「今日もすごーく寝癖が付いていますよ。ツカサさん、雪が積もっていて、外が真っ白です。」
と嬉しそうに僕を窓の前に立たせる。
雪ではしゃぐのは犬と子供だけだぜ。と思ったけど、
ウサギが嬉しそうに窓の外を見るので、僕も自然と笑顔になる。
「病院の裏庭で、雪だるま作れるかなぁ。」とつぶやいているのを聞きながら、
シャワーを浴びにバスルームにはいる。
おいおい、そんな事をしたら、注目の的だ。って思いながら、
スノボ用の手袋のありかを考える。
手がかじかんだら困るだろう。って思う自分が可笑しい。
僕はウサギに結構惚れているのだ。
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