腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
ツカサさんが当直からお昼前に戻ってきた。
当直明けのツカサさんにご飯を作っておこうと、
買い物を済ませ、ツカサさんの部屋でご飯を作る。
これって朝ごはん?かな。
「速攻で帰ってきた。」とツカサさんは満面の笑みだ。
今日は私は17時から夜勤だ。
きっと、部屋で待っている私のために
仕事を終わらせてきたんだと思うと、嬉しい。
(内科病棟は2交代制になっていて、夜勤は17時から翌朝9時が勤務の予定だ。)
帰ってきたツカサさんはシャワーを浴びた後、私をベットに連れ込んだ。
「ご、ご飯は?」と聞くと、
「ウサギを食べてから。」とにっこりする。
「私は夕方から仕事なんで、今からクタクタになるわけにはいきません。」と
くちづけの合間に言ってみたけど、
「仕事の間、僕のこと忘れないようにしておかないと。」
と笑って、私の服を脱がせる。
「…絶対、忘れませんけど。」
と言ったけど、返事は長くて、熱いくちづけだった。


ツカサさんが満足して、私を深く抱き直す。
私はクタクタになって目を閉じる。
ウトウト眠って目を開けると、ツカサさんが私を見ている。
そんなに見つめないでほしい。顔が赤くなる。
「ウサギって、僕と目があうといっつも驚くんだな。
もう、何度も抱き合って、結構一緒に眠っているのに。
なんでかな?」と私を深く抱きしめる。
「そ、そんな事を言われても、わかりません。」と、横を向くと、耳を甘噛みしてくる。
これは、このまま、もう1回のパターンになりそうな予感がする。
いや、もう、これ以上は仕事に支障が出そうです。
私はガバッと、起き上がり、
「シャワーしてきます。絶対、入ってこないでくださいね。」ときっぱり言うと、
「つまんないの。バスルームも楽しいのに。」と後ろから、声をかけられる。
「絶対ダメです。」と振り向いて、怒った顔をみせてからバスルームに駆け込む。
なんでバスルームに鍵が付いてないんだろう。って思いながら、
シャワーを浴びて、寝室に戻ると、
ツカサさんは少し、口を開けて眠っていた。無防備な寝顔。
猟師に見つかったら、あっさり捕まってしまいそうですよ。
私は、少し、微笑んで、髪を撫でてから、
食事の用意に戻った。



< 153 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop