腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
翌日の朝。ベットの中。
まだ機嫌の悪い私を後ろから抱きしめ、
「だからね、僕は奈々ちゃんにキチンと振られてから、
単なる、彼女のファンだよ。
ウサギにとってのストームと同じで、見てると楽しいってだけだよ。
もちろん、リュウとセットで。
あの2人のバカップルぷりは結構、見ているだけで幸せになれる。
ウサギはストームのシオン君ってヤツと付き合いたいの?」
と顔をしかめる。
「そんな事は思ってもいません。
ツカサさんが奈々さんのファンってことなら、許してあげます。
私も奈々さんの事、大好きです。」と言うと、
「僕も、シオン君ってヤツのファンってことなら、
ウサギのこと許しておくよ。
僕はちっとも好きじゃあないけど。
そいつがどんなヤツでも、気に入らないな。」と口の端を歪めて笑った。
私は呆れて、
「ツカサさんって、結構ヤキモチ妬きなんですね。」と言うと、
「今更、気付いても、もう遅い。
他の男を好きにならないって、約束したろ。
ウサギはもう、僕だけのものだよ。」
と私を振り向かせて深く抱きしめた。
私が小さな声で
「はい」と返事をすると
「よろしい」と深くくちづけしてくる。
「仲直りの印にもう1回しておく?」
と言葉は疑問形だけど、ツカサさんの手は私の足をゆっくり開かせる。
私はツカサさんの手に少しも逆らえない。
ゆっくり目を閉じ、
ツカサさんの頭を抱きしめて、深く息をついた。




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