腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
ツカサさんは夜中まで私の身体を離さず抱いた。
私はそのまま眠ってしまい、明け方に目覚めた。
頭の上の目覚まし時計は5時だ。
やれやれ。
今日は2人とも日勤だ。
お腹が空いている。
昨日、夕飯どころではなかったな。と私の頭の上にあるツカサさんの顔を覗いた。
長い睫毛。薄く開いた唇。
みんな私のモノになったのかもしれない。と安堵の溜息をつく。
もう、他の女の人を気にしない。
私の笑顔が好きだって、結婚して欲しいって、ツカサさんはそう言ってくれた。
愛してるって何度も何度も言って、私を抱きしめた。
ツカサさんは何度も私の気持ちを確認するけど、
私は私の気持ちはわかっている。
ツカサさんを愛している。
ずっと、一緒にいたい。
それだけわかっていれば、それでいい。

ツカサさんは何度も急がなくていいと
私に言い聞かせる。
きっと、私が社会人になったばかりで、オトナと見なされていないってことと、
ツカサさんが12歳年上で、年が離れすぎてるって思っていること。
それにツカサさんのバツイチオオカミにまつわる噂
そんなものがツカサさんを苦しめている。

きっと、私が周りにいろいろ言われたり、
悪い噂で傷つかないかって心配しているんだろう。

私の身体に巻きついた腕をよいしょっと外して、朝食を作ろう。と起き出した。
先にシャワーも済ませないと。

朝食の準備を終えたら、ツカサさんを起こそう。
2人の始まりの新しい朝だ。
私はツカサさんと一緒に生きて行く。

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