腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
余興の最後に僕らの知らないサプライズが待っていた。
(桜子さんの手配によるものらしい。)
真っ暗なった会場にスクリーンが白く光る。と突然
「ストームでーす」と大きな映ったアイドルグループに女の子達の嬉しい悲鳴が上がる。
「新婦の美雨さんが僕等のファンだって聞きました。
ご結婚おめでとうございま〜す。
いつも笑顔で、
素敵な家庭を作って下さ〜い。
僕等も応援しますね」
と、メンバーのひとりひとりの営業スマイルが映る。
「美雨の旦那さんって、シオン君ににてる?」小さな囁きがだんだん大きくなる。
似てねーよと、大声が出そうになったとき、
「シオン君はこんなにおじさんじゃない!」と姪の怒った声が聞こえて、
クスクスとみんな笑いだした。
僕は不機嫌だ。
会場があかるくなって、ストームカッコ良かったねと女の子達は話している。
気に入らない。
美雨は僕が不機嫌な顔をしていたので、
そっと顔を寄せてきて、
「よーく見るとちっともシオン君に似ていませんでした。
断然、ツカサさんの方が素敵です」と囁いて、微笑む。
僕は嬉しくなって、美雨の瞳を覗くと、
「キーッス、キーッス」と掛け声がかかる。西野のヤツだ。
周りも調子にのる。だんだん大きくなる掛け声に
ウサギは真っ赤になって、
僕の頬に唇を付けた。
僕も顔が赤くなる。
冷やかす口笛や、囃し立てる声がさらに大きくなる。
僕はウサギを抱きしめ、しっかり、唇にくちづけした。
唇をゆっくり離すと、
「やっぱり、ツカサさんはオオカミですね。」
と、ウサギが真っ赤な顔で呟いた。
ーFinー
(桜子さんの手配によるものらしい。)
真っ暗なった会場にスクリーンが白く光る。と突然
「ストームでーす」と大きな映ったアイドルグループに女の子達の嬉しい悲鳴が上がる。
「新婦の美雨さんが僕等のファンだって聞きました。
ご結婚おめでとうございま〜す。
いつも笑顔で、
素敵な家庭を作って下さ〜い。
僕等も応援しますね」
と、メンバーのひとりひとりの営業スマイルが映る。
「美雨の旦那さんって、シオン君ににてる?」小さな囁きがだんだん大きくなる。
似てねーよと、大声が出そうになったとき、
「シオン君はこんなにおじさんじゃない!」と姪の怒った声が聞こえて、
クスクスとみんな笑いだした。
僕は不機嫌だ。
会場があかるくなって、ストームカッコ良かったねと女の子達は話している。
気に入らない。
美雨は僕が不機嫌な顔をしていたので、
そっと顔を寄せてきて、
「よーく見るとちっともシオン君に似ていませんでした。
断然、ツカサさんの方が素敵です」と囁いて、微笑む。
僕は嬉しくなって、美雨の瞳を覗くと、
「キーッス、キーッス」と掛け声がかかる。西野のヤツだ。
周りも調子にのる。だんだん大きくなる掛け声に
ウサギは真っ赤になって、
僕の頬に唇を付けた。
僕も顔が赤くなる。
冷やかす口笛や、囃し立てる声がさらに大きくなる。
僕はウサギを抱きしめ、しっかり、唇にくちづけした。
唇をゆっくり離すと、
「やっぱり、ツカサさんはオオカミですね。」
と、ウサギが真っ赤な顔で呟いた。
ーFinー