腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
数日後。
今日は私のバディの杉田先輩がご飯に誘ってくれたので、
内科病棟に努める3年目以下の若いナース達5人と
近所の居酒屋さんに行くことになった。
もちろんしおりんも一緒だ。
みんなで更衣室で着替えてから、
病院の近所にある居酒屋さんに行った。
のれんをくぐると、賑やかな集団がいた。


見知った顔がいる。
あれは救急外来の人達だ。
10人位の集団だけど、ほとんどが男性だ。
先生達の集まりかな。
リュウ先生がいたけど、
菅原先生はいないみたいだ。
私はちょっとガッカリしている自分に気づく。


この間知り合いになった3年目の救命医の西野先生が
「しおりーん」と呼んで、近づいてくる。
しおりんは美人なので、けっこう男の人に人気がある。
「君達、内科のナースでしょう？一緒に飲もうよ。」
といって、
「リュウ先生、良いですよねー。」と振り返る。
リュウ先生は笑って手招きしてくれている。
内科のナースの先輩達は、
リュウ先生と一緒に飲めるってことで、
ものすごく盛り上がったみたいだ。
リュウ先生はあいかわらずカッコいい。
今日はリラックスしてるみたいで、柔らかい印象だ。
隣にいる綺麗な女の人に顔を寄せて笑っている。
…もしかしたら奥さんの奈々さんかな。
私の心臓が飛び跳ねる。
菅原先生の好きなオンナノヒト。
どんな人なんだろう。

< 41 / 185 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop