腹ぺこオオカミはご機嫌ななめ
菅原先生からそっと離れる。
先生が起き上がって欠伸をする。
私は思い切って、
「お腹空いてませんか?」と聞くことができた。
きっと、顔が赤くなってる。
「まあ、空いているかな。夜中の3時に食べただけだし。」
と返事が返ってきたので、
「お弁当、作って来てるんです。よかったら、
いっ、一緒にどうですか?」と言いながら、アタフタと、
階段の下に置いた、バッグを取りに行った。
菅原先生は驚いた顔をしたけど、
優しく笑って、
「誰かが僕のためにお弁当を作ってくれるなんて、
しばらくなかったな。頂こうかな。」と言ってくれた。
「でっでも、あんまり上手にはできてなくてっ!」と言うと、
菅原先生は唇の端をクッと上げて、
「僕に食べさせたいの?食べさせたくないの?どっち?」
と笑い出す。
「たっ卵焼きだけには、自信があるんです。
母に教えてもらってから、寮に入ったんです。」
と言うと、
「卵焼きがが好きなの?」聞いてくれて、
「…お母さんが作った卵焼きはすごく元気になるんです。」
と言ったら、ちょっと私のかおをみて、
「ふうん」と言った。
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